--- アンティーク・エピソード ---エナメルを用いたアンティークジュエリー「プリカジュールエナメル」

プリカジュールエナメル(Plique-a-jour Enamel)とは
フランス語で「Plique-a-jour Enamel(letting in daylight)」。
金属の下地がなく、金属枠のみによってエナメルを支える特別なエナメル技法です。
熱することで、エナメルが透き通ります。

プリカジュールエナメルとアールヌーボー
プリカジュールエナメルの技術は中世から存在しビザンチン帝国下で発展しましたが、19世紀になるまでにほとんど用いられてなくなっていました。
それが1890年頃に、アールヌーボーのジュエラーによって最高レベルに高められて蘇ります。
プリカジュールエナメルは、アーティスティックな構図を好んだアールヌーボーのジュエリーに特に好んで用いられました。
かのルネラリックはこのプリカジュールエナメルの旗手として有名になりました。
下記は1900年頃 にルネラリックが製作したアクアマリンとダイヤモンド、プリカジュールエナメルのペンダントです。
2019年にクリスティーズで競売にかけられました。

ルネラリックプリカジュールエナメル
(c) Christies

チャーチウィンドウ
裏から光りを当てるとステンドグラスのように光が透けます。
イギリスではプリカジュールエナメルのことを、「チャーチウインドウ(church window)」と呼ぶことがあります。
そもそもプリカジュールエナメルは、教会のステンドグラスの壮麗な美しさをジュエリーで表現しようと思って出来たエナメルです。
しかしその構造は異なります。
ステンドグラスに使われているガラスは細かくカットすることも薄くすることもできませんから、ジュエリーのような小さな物は作れないのです。

プリカジュールエナメルの色
複数の色合いを用いたり、美しいグラデーションを出すのは至難の技です。
下記は当店で販売済みのプリカジュールエナメルのペンダントトップです。
7色のエナメルが用いられていますが、これは想像を絶する難しさです。
と言いますのも、エナメルは色によって温度を変えて熱を加えていきます。
7回も炉に出し入れをして加熱するわけですから、1-2色のエナメルよりずっと難しくなるのです。

7色のプリカジュールエナメルのアンティークペンダント(ステンドグラス)

1900年前後にかけて多くの作家、あるいは宝飾メゾンが好んでプリカジュールを用いたハイジュエリーを手がけます。
下記は推定1900年頃、ジョルジュ・フーケのオパールとエナメルのペンダント。
数年前にササビーズ ロンドンに出展され高値で取引されています。

ジョルジュフーケのオパールとエナメルのペンダント

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